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ヨーロッパ和物便り

写真:藤村由紀
藤村由紀
Vol.12 「イギリス和食便り〜海草編〜」(更新日:2006.07.28)
イギリスは、このところ熱波がやってきており、例年になく猛暑です。日本も、そろそろ梅雨が開けて夏本番ですね。夏バテの時期には、海草サラダなどが、食欲が出そうですね。                 

手巻き寿司の写真 今日は、和の食材としては、絶対に欠くことのできない海草のお話です。 ここイギリスでは、一時期、砒素汚染問題で、日本からのひじきの輸入停止が話題になったことがありました。でも、他の海草一般は、ますますの人気です。健康食品の専門店はもちろん、一般のスーパーでも、"Wakame"や、"Arame" などと書かれた袋が売られています。ちょっとエキゾティックなベジタリアン食材として人気があるようです。

海苔に関しては、近年、多くのスーパーや英国資本の回転寿司などで、パックの海苔巻が売られるようになりましたし、自宅で海苔を巻いてみたい人もいるのでしょう。でも、ワカメやアラメなどは、使い方を知っている人がそんなにいるのでしょうか。スーパーでは、近くの棚にオーガニックのお味噌もあります。普通のイギリス人がお味噌汁を作っているのでしょうかね。どんなお味噌汁なのか、ちょっと怖い気もしますね。アラメやワカメは、フライにして、麺類やパスタのソースになることもあるようです。また、寒天は、ゼラチンに代る植物性食材として、ケーキなどによく使われています。BSE(狂牛病)騒ぎ以降、動物性食材のゼラチンを避けている人もいるため、重宝されています。

ところで、英語で海草は"Sea Weed"、 海の雑草です。雑草と呼ばれるぐらいですから、元々イギリスでは海草は見向きもされず、ましてや食べる習慣がなかったのか、というと、そうでもありません。例えば、土地の痩せた地方では、肥料として使われていました。海端の親類の家に行った時も、庭の花壇用にワカメを拾っていました。北の辺境の地、シェトランド諸島では、厳しい自然の中で牧草も充分に育たず、羊達は、打ち上げられた海草を食べています。またウェールズ地方には、海草を使った伝統的料理があります。

ベネチアの写真 さて、新旧、様々な使い方のある海草類ですが、最近、こんなニュースがありました。イタリアのベネチアで、ワカメが大量繁殖しているというのです。外来種のワカメが、東洋から船にくっつ来て、アドリア海を通ってベニスに侵入して来たのだそうです。ベネチアと言えば、海を埋め立てて建てられた水上都市、アドリア海の真珠と讃えられる美しい運河の街です。そのベニチアの街の網の目のような運河が、実は水面下では、びっしりとワカメに占領されているというのです。今のところ、ワカメは、根をおろさないので、建物への直接の被害はないだろうとされています。でも、巨大に成長し、繁殖力が強く、在来の動植物を駆逐するため、ラグーンや運河の生体系が大打撃を受けています。その為、当局は駆逐対策に乗り出したとか。

今度、ベネチアを旅行された折、日本料理店でワカメが出されたら、江戸前ならぬベネチア前。目の前の運河で採れたものかもしれませんね。

▼英国食品基準局のひじきに関する記事
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2004/jul/hijiki

▼英国で海草を配送する業者
http://www.sanchi.co.uk/
http://www.clearspring.co.uk/

▼ウェールズ地方の海草料理
http://www.celticocean.co.uk/recipes/itemTitle.asp?id=76
http://www.red4.co.uk/Recipes/laverbread.htm

▼ベネチアでのワカメ大量繁殖の記事
http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/europe/5112980.stm
http://www.telegraph.co.uk/news/main.jhtml?xml=/news/2006/06/24/wchina124.xml&sSheet=/news/2006/06/24/ixnews.html" target="_blank">=/news/2006/06/24/ixnews.html

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