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香野 恵
Vol.22 歌舞伎座「二月大歌舞伎・仮名手本忠臣蔵:夜の部」(更新日:2007.02.23)
二月大歌舞伎「通し狂言 仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」、夜の部をご紹介いたします。

「二月大歌舞伎・仮名手本忠臣蔵:夜の部」

平成19年2月1日(木)〜25日(日)の歌舞伎座・二月大歌舞伎は、通し狂言「仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)」、昼夜で続けて上演です。

まずは五段目、山崎街道鉄砲渡しの場と二つ玉の場。お軽(坂東玉三郎)と逃げた早野勘平(尾上菊五郎)は猟師に身をやつしてはいますが、主家の敵討ちに参加したい念を捨てきれません。一種の持参金を持っていけば、許してもらえるのでは、と考える勘平。そんなとき猟に出かけて、あまりの暗闇に猪とまちがって人を撃ち殺してしまいます。殺したのは悪党の斧定九郎(中村梅玉)。定九郎は、お軽の父を斬り殺し、懐中の大金を奪った帰りでした。悪い事とは知りながら、ついついその金に手をつける勘平。

六段目の与市兵衛内勘平腹切の場ではとうとうその事実が露見し、勘平は切腹します。てっきり自分が殺したのは、お軽の父だと思ってしまうのです。しかしそれはもちろん誤解だったわけですが……。

勘平は菊五郎の当たり役ですけどさすが! と思わせる芝居でした。思わずうるっとくるくらい感動です。

さて、じゃそのお金はなんだったのかといえば、実は女房お軽が、遊女として身を売ったその代金だったのでした。お軽がいる店は、大星由良之助(中村吉右衛門)が居続けで遊んでいる一力茶屋。七段目、祇園一力茶屋の場では、仇討ちの意志を遊興で隠し続ける由良之助と、勘平の死を初めて知るお軽、仇討ちに参加を願うお軽の兄、寺岡平右衛門(片岡仁左衛門)がからんでここ一番の山場です。

玉三郎のお軽はほんとに可憐で、一途です。すごすぎる……。仁左衛門の軽々しさとちょうどいい感じです。吉右衛門の由良之助も当たり役だなーと思います。もうすこし重たくても良かったけど、まだ公演10日目だから、こんなものなんでしょうかね〜。私としては、3人が見得を切る最後は大喝采でした。

本来ならクライマックス、十一段目、高家表門討入りの場。立ち回りが結構長くて、楽しんでみられました。炭部屋本懐の場はまあ、ああよね。最後鬨の声を上げる場面は、やはりカタルシスがありました。

というわけで、夜は大変面白かったです。話として盛り上がるっていうのももちろんあるんでしょうが……。それだけではなくやはり役者さんたちの力が大きかったような気がします。いい舞台でした。



▼歌舞伎美人 松竹・歌舞伎公式ウェブサイト
http://www.kabuki-bito.jp/



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